建築でコンピュータ、する?
2024年12月13日(金) 03:00 JST
このページの更新は終わりました。研究室活動の記録のために残してあります。2010年以降の動画を集めたデモページを準備中です。公開までしばらくお待ちください。最新の動画デモはこちらです。
2010/01/21 更新
データベースを学ぶ講義の中で、ある院生がペントミノの立体版を楽しむアプリケーションを作成しました。このアプリケーションでは、どのペントミノをどこに動かしたか、といった操作の履歴を全てデータベースに記録しています。デモ動画は、この履歴をもとに、5×4×3のペントミノを解くまでをリプレイしたものです。動画を見ると簡単にそうに見えますが、自分でやってみようとするとなかなかこうはいきませんね。研究室にあるので挑戦して見たい人はぜひどうぞ。
5×4×3の立体ペントミノ |
データベースには複数のクライアントが同時に接続できますから、離れた場所で解いている様子を眺めたり、あるいは邪魔をしたりも可能です。もちろん、データベースの講義中でトランザクションの概念と実装は教わっているので、多数ユーザの干渉を防ぐこともできます。
ネットワークを意識しないでもそれなりのネットワーク(マルチユーザ)対応がとれてしまうのが、RDBをデータストレージに用いる利点の一つです。
複合現実感技術では、画像内のタグ、マーカーを検出してタグとカメラの相対的な位置関係を得て、画像の中に三次元モデルを違和感なく合成します。複合現実感のライブラリはC/C++で書かれているので、ArchiCADのアドオンとして実装してみました。アドオンを起動し、タグの写る写真を読み込ませると、その画像を解析しタグを原点として視点位置にArchiCADの視点(カメラ)を自動生成します。ArchiCADの三次元画面の床平面(タグ平面)やカメラのパースが画像撮影時のものに一致するので、動画のように複合現実中でモデルを動かす、変更するなどの操作が可能です。また、当然CADのレンダリング機能も利用できるので、フォトリアルなCGを得ることもできます。 この動画では、解析用画像の読み込みから、カメラの作成、モデルの編集、レンダリングまでの様子を紹介します。
デモの様子 |
解析に使ったのが左図で、CADでの表示、レンダリング用につかったのが右図です。 |
GDL講習会で、ArchiCADのグローバル変数を利用したアニメーションを作成しました。この動画では、箱の置かれた位置から最終的な箱の高さを決めています。アニメーションが進むにつれて高さがその高さへと増えていくように設定しました。
GDLアニメーション |
QuickTimeのmovファイルです。 |
今まで、いくつか複合現実感による動画デモを紹介してきましたが、やはりマーカーが写っているとなんとなく違和感があります。とくにインテリアシミュレータでは、マーカーがあると仮想の家具モデルよりマーカーに目が行ってしまいます。その他の画像デモにあるように、静止画でのインテリアシミュレータでは、マーカーのない合成シーンの作成が可能ですが、視点が動く動画でのリアルタイムシミュレーションではそうは行きません。
今回紹介するデモは、今回初めて実験を行った三次元加速度センサによる複合現実感のデモです。このセンサから得られる、ピッチ、ロール、ヨーなどカメラの首振りに関する情報をもとに三次元モデルを合成しています。マーカーを使っていないので、当然、画像内にマーカーが一切写らない合成シーンを得ることができます。また、自由に視線を動かすことが可能です。右のデモは校舎の裏庭に五重塔を建ててみる、というデモです。五重塔を地上から見上げるといったようなことは、マーカーを使ったものでは空中にマーカーを置くこともできないためとても難しいのです。
マーカを使わないインテリアシミュレーション | 五重塔を見上げる |
住宅展示場のモデル棟をお借りしてAR/MRの応用を試してみました。
以前行った展示場での実感からいくつかの改良を重ねました。ARtoolKitからARToolkitPlusに変更したことで、トラッキング精度が向上し、マーカが遠くからでも比較的ブレの少ない合成ができています。また、表示モデルのフォーマットに関しても汎用性をまし、CADで書いたモデルや、WEBで配布されている3Dファイルなどの表示も可能になりました。
リビングルーム | 吹き抜けホール |
データベースにどういった情報を管理させるかは、自由に決めることができます。このデモでは、大斗という「型」に、簡単な説明文と実物の写真をデータベースで結び付けであります。
ごらんにようにCADの三次元画面から部品を選択し、それに関する説明文、写真表示するダイアログを表示することができます。三次元モデルによるデジタルアーカイブ化、というと切り離されてしまいがちな、文章、二次元の画像などといった情報も、データベースで管理することができもちろん適宜情報を引き出すことができます。
CADとデータベースの連携② |
MR/ARの応用を検討し始めるとすぐに、実物と仮想物の前後関係が入れ替わるシーンでの破綻に悩むことになります。仮想物が常に実物の前にあらねばならない、この条件を緩和できれば応用シーンの幅が広がります。左側は↓にある「模型の中を歩く人」を発展させたものです。ゆがみ補正とトラッキング精度が向上しています。右側では建築模型(実物)内で仮想の人物を複数歩かせてみました。
立法体の後ろへまわりこむ。 | 住吉の長屋模型での実験 |
MR/AR関連のデモばかりでしたが、こういう研究もしています。ARのデモは一目見れば説明の必要がないのですが、こちらはそうはいきませんで、説明を試みます。
この研究では部品管理にデータベースを用いるように市販のCAD(ArchiCAD)をカスタマイズしています。データベースでは、個別部品のID、位置、型情報にあわせて、異種「型」間の関係も管理しています。
伝統的な木造建築では継手仕口など特徴のある多様な接合ディテールが使われますが、このデモでは肘木と大斗を対象にソリッドモデルの立体演算で接合部を定義する様子を表現しています。位置、形状、型の情報があれば自動的に演算します。もちろん、部品の位置、寸法が変われば追随してディテールを再構築できます。
CADとデータベースの連携① |
AR/MRの応用はたいていの場合動画を対象としていますが、これは静止画の場合です。異なる視点の写真を同時に数枚並べ、そこにヴァーチャルなオブジェクトを重ねています。静止画でもおもしろい効果が得られていると思います。実用的な家具選択システムを想定すると、動画よりも静止画は取り扱いが簡便で、適しているのかもしれません。
インテリアシミュレータのデモ |
住宅展示場のモデル棟をお借りしてAR/MRの応用を試してみました。トラッカーは本家ARToolkitを使用しています。動画のコーデックはQuickTime(拡張子mov)です。
ビデオを再生すると仮想物がぐらぐら揺れています。家具のように本来動かないものが微妙にでも動くと違和感が生じてしまいます。ARToolkitPlusにはこの点で若干のアドバンテージがありますが、今回の試験では採用していません。動画ではなく静止画を用いたインテリアシミュレーターも試作していますが、静止画ではこのようなぐらつき(ジッタ)は生じません。ARToolkitPlusトラッカー版、静止画利用のインテリアシミュレーターもまもなくこのページに掲載します。
モデルルームを歩き回る | シーン1:子供部屋 |
シーン2:ベランダ | シーン3:家具モデルの変更 |
建築施工現場での複合/強化現実感の応用例として、鉄骨などの角材の中心にマーカーを置く、といったデモを作成しました。鉄骨の両端(青い線のところ)に仮設マーカーを置いて、中心を示すガイドを表示させ、そこに本設マーカーを置きます。3D表示能力の低いポケットPCを中心とする構成のため、フレームレートは12~3fps程度しかでていません。その割にはちらつきは少ないと思います。
同一のPCで録画プログラムを走らせるとさらにフレームレートの低下が生じます。そのため、HMDに表示させている映像を分配器でディスプレイに表示させ、それをビデオカメラで撮影しています。
ウエアラブルコンピュータでのデモ |
2つのWEBカメラをつかって、裸眼立体視ビデオを作成しました。作例として、C-60の模型を撮影したものを公開します。交差法で見てください。
裸眼立体視ビデオ(XVID) |
再生動画の向かって左側が生の画像で右側が補正済みの画像です。PCの能力にもよりますが、640x480のサイズで15fps程度であれば余裕で動画補正が可能です。このデモでは640×480でキャプチャした動画を補正していますが、補正後に320x240にリサイズしてから処理前後の画像を左右に並べて最終的に640x240に合成しています。余談ですが、立体視用のムービーも左眼用右眼用を合成して一本のムービーにすると同期を考えなくてよくなるので便利です。
動画補正(XVID) | 同(無圧縮) |
以下の4つのデモは複合現実感研究の初期に作成されたものです。すべて学生の作品です。「模型の中を歩く人」はリアルなオブジェクトとバーチャルなそれとの前後関係の問題を解消しています。仮想物が常にカメラの最前面にあることが条件になると応用が限られますので。
模型の中を歩く人 | 木造継手仕口教科書 |
仮想実物大住宅 | 名作インテリア |
最終更新日:: 2014年10月12日(日) 18:28 JST|表示回数: 3,898
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