建築でコンピュータ、する?
2024年10月 8日(火) 15:00 JST
2013年10月24、25、26日@日本科学未来館
こちらの記事でお知らせしたInnovative Technologies 2013の展示会が本日から始まっています。上の写真には人は写っていませんが、あまり天気が良くないにも関わらず、午前中から多くの方にご覧頂いています。
会期は24(木)、25(金)、26(土)の3日間です。このあともあまり天気は良くないようですが、来て頂ければうれしいです。会場は日本科学未来館です。
経済産業省が主催するInnovative Technologies2013に、当研究室によるAR による建築施工支援が採択されました。ニュースリリースはこちら です。採択された技術は日本科学未来館で展示されます。未来館での展示については以下のリンク先を参照ください。
ARの実験用に、昨年こちらのヘッドマウントディスプレイ(HMD)を導入しました。発色が良く、とても綺麗に見えるので満足しているのですが、ARでの利用においては一つ問題があります。それは、当然といえば当然のことなのですがARに必要不可欠なカメラを取り付けるマウントがないということです。幸いながら当研究室には三次元プリンタがありますので、これを利用して独自マウントを設計してみよう!ということで、カメラとセンサを搭載できるマウントを作成してみました。せっかく独自に作るのだから、スマートな見栄えも意識して、HMDに引っ掛けるだけで固定できるようなマウントの設計を目標としました。続きでは、図面も3Dデータも提供されていない製品にぴったりとフィットするマウントを如何に設計したかご説明します。
某I**Aの二番煎じでは?と思われているかもしれませんが、当研究室では2007年からARでのインテリアシミュレーションを模索しています。最も古いのは2007年の卒論ですが、公にアクセスしやすいものは2008年の建築学会大会での梗概複合現実感を用いたインテリアシミュレータの開発です。実際は4~5年ほど当研究室の方が先行しています。
手軽さでは某I**Aさんに劣るかもしれませんが、I**Aさんは商業利用が目的ですから当然でしょう。当研究室のシステムはシミュレーターとしての正確さの評価に重きを置いています。出ている絵の質を見比べてもらうとすぐにわかると思いますがいかがでしょうか。ちなみに、当研究室のシステムはHTML5ベースですので、Androidでも動作させられます。Webアプリケーションのため、ネットへの常時接続が必要になりますが。
当研究室では、ARを利用したインテリアシミュレータのWebアプリケーション版を公開しています。今回のバージョンアップで新しくなった機能は主に以下の3点です。
先日のオープンラボでは展示物候補が思いのほか多く、選外となった研究ネタをご紹介します。
当研究室ではAR技術の建築分野での応用をさまざま角度から検討しています。最近、大型TVやHMDに、3D機能を備えたものが増えてきました。当研究室でも60インチの3DTVを導入しており、オープンラボでは五重塔や在来軸組構法の架構を3Dでご覧いただきました。
3D表示にするためにプログラム側ですることは、3DTVやHMDに対して規定の形式(サイドバイサイドやフレームパッキング)で画像を流してあげることだけで、これだけで自動的に3D表示されるようにできています。Quadro等のワークステーション用のグラフィックスカードを使えばOpenGLのQuad Stereoが使えますから、フレームパッキングにするのはとても簡単で説明するまでもないでしょう。
今回の試行で困ったのはステレオARに使用するカメラです。ARのステレオ化では、カメラに対する要求は結構高くなります。3D USBカメラといえばMinoru3Dが廉価かつ手軽でよく使われており、当研究室でももちろん重宝していますが、実は2つのUSBカメラを並べただけのものでUSB2.0の帯域ではデータ転送がやや苦しいであるとか、左右のカメラの同期がとれていないかもしれないなど、オールマイティであるとは必ずしもいえません。財布が許せばもう少しよい(がとても高価な)ステレオカメラもありますが、SONYのBloggie 3D(MHS-FS3)というコンパクトカメラが1280×720のサイドバイサイドのUSBカメラとして使えしかも安い、といううわさをネットで見かけ、試してみることにしました。本当に720pのサイドバイサイドなら3DTVに使ってもそこそこの画質が期待できます。