建築でコンピュータ、する?
2024年12月13日(金) 01:38 JST
2020年度卒業論文の発表会がオンラインにて行われました。本研究室の卒業論文を簡単に紹介したいと思います。
木質部品の加工は一般的に多段階で行われますが、加工済みの形状から加工過程を知ることが難しい場合があります。そこで本研究では、木質部品における加工過程の可視化を目的として、継手仕口を対象に3Dモデル上における加工情報の表現手法を検討しました。
加工情報は加工ツールと加工順序に対応させた色で表現し、3DモデリングツールであるRhinocerosとそのビジュアルプログラミング環境であるGrasshopperを用いて13種類の継手仕口および2種類の加工について生成システムを実装しました。実装したシステムを法起寺三重塔(奈良県)の3Dモデルに適用し、3Dモデル上で加工情報が表現可能であることを確認しました。
2020年度の修士論文発表会がオンラインで行われました。今年度の修士論文を簡単に紹介したいと思います。
本研究では3Dプリンターに使用されているエクストルーダを6軸腕型ロボットにツールとして装備させ、6軸プリンティングの造形実験を行いました。一般の3Dプリンタでは鉛直下方向を向いたエクストルーダをxyzの3軸方向に制御することが行われ、サポート材が必要となる、または限られた(z軸方向のみでしか積層できない)アクセス方向による制限があります。6軸での3Dプリンティングが可能となることで、積層パターンのバリエーションが増え、従来の3Dプリンタでは造形の難しいものも造形できます。本研究では6軸プリンティングに必要な実験環境、ツールパス生成方法、その応用などに着目し繰り返し試行し、実際の建築スケールへの展開の可能性を模索しました。本研究で造形した代表作品としては背もたれ椅子、カウンターチェア、と階段の踏面サポート部材の3つがあります。ロボットは様々な姿勢で積層を可能にするため、障害物や既設された部分などを避けながらターゲット位置にアクセスすることで、一体として全体を造形することができました。
こちらの記事では、現場安全性・生産性向上のための深層学習とコンピュータビジョンを用いた作業員の「名前・位置・動作」を推定する研究を紹介します。
深層学習のうち教師あり学習とは、データとその正解ラベルを与え学習させるとその見分け方のような正解の導き方を自動的に習得し、未学習のデータに対しても正解を導き出すことができるアルゴリズムのことです。コンピュータビジョンとは、その名の通り「機械の目」であり、画像解析などを通して画像の内容を認識させることを目的とする分野です。本研究では、現場に設置した単眼カメラとこの2つの技術を用いて、そこに写る作業員の「人物・位置・動作」を推定することを試行します。
大型制作物として伝統建築物の四脚門を制作しています。 過去数年にわたってチャレンジしてきた四脚門の制作ですが、当研究室の環境も年々バージョンアップしており、ついに今年度完成!?を目標に日々制作を進めています。 この記事では、オープンラボで紹介予定であった途中経過を報告したいと思います。
オープンラボ中止代替企画、修士2年の研究中間報告、第二報です
普通なら3軸で動く3Dプリンティングを6軸にできたら色々な変化を付けられて面白いかもと、という発想からこの研究を始めました。ロボットで3Dプリンティングするために、まずは市販の3Dペンを持たせて、フィージビリティを確認することから始めました。
3Dペンではフィラメントの吐出速度は決まっており、最初期の実験ではロボットからの信号で吐出のon/offのみを制御しました。一定速度でペン先を動かし、その前後で3DペンのON/OFFする指令を連続させた積層パスです。ここからさらに進み、積層中のロボットの速度を細かく制御することで、積層高さと吐出量を調整するようにしました。最初段階の実験についてはこの記事 「ロボットが余るなんて・・・」で紹介しています。
本記事では、その後の試行錯誤について紹介します。