建築でコンピュータ、する?
2024年10月 8日(火) 14:01 JST
本研究室が城郭(内堀の中)の三次元モデル化を担当した姫路城のCG復元プロジェクトが神戸新聞で紹介されました。
姫路城は現存する部分のみでもかなり巨大な城郭でありますが、播州姫路城図(元禄12年~宝永元年)を見ると、現在広場となっている西の丸、三の丸にも御居城が建ち、それを囲むように櫓があったことがわかります。今回はこの播州姫路城図に描かれた往時の姿を三次元モデル化することになりました
さて、城内を観察すると、その構成要素はおおよそ天守、櫓、渡櫓、門、土塀、石垣、加えて消失した御居城(御殿)に整理できます。とはいえその形状には、実に様々なバリエーションがあり、例えば櫓なら櫓を一つ三次元モデリングして複製して…という所謂コピペは使えないことがわかります。下記は櫓や門の調査写真をピックアップしたものですが、屋根や開口などが形状を変えながら櫓を構成していることがわかります。
こんな時こそGDLによるパラメトリックモデリング。
屋根、開口、土塀、石垣とGDLによりパラメトリックな雛形を定義し、これを活用しながら三次元モデルを組み上げます。ArchiCADでは、雛形(gsm)の定義を編集すると、配置済みのオブジェクトも同期しますので、雛形を改良する担当、雛形を配置して三次元モデルを組み上げる担当に分担して作業しました。この分担とArchiCADのチームワーク機能により効率的に三次元モデル化を行うことができました。
ひとまず最終的には下のようなパース(総社門からの眺め)がレンダリングできました。城郭そのものが巨大なので、建築はどうしても小さくなってしまうのですが、櫓の反り屋根や開口、算木積みの表現された石垣など拡大してもそれらしく見えるイメージができたと思います。他の成果品は、編集後、姫路城の公式ガイドブックに掲載される予定です。