建築でコンピュータ、する?
2024年12月13日(金) 02:15 JST
今年も本学の修士論文発表会が行われました。当研究室からも修士が発表を行ったので簡単にそれぞれの研究について紹介したいと思います。あわせて、動画デモを更新しました。続きを読むには全文表示をクリックしてください。
本研究室では、伝統木造建築物を精緻なデジタルアーカイブとして保存し活用する手法に関する研究を行っています(こちら)。この発表では、法華経寺五重塔、徳願寺山門のデジタルアーカイブ化を通して、扇垂木や四天柱などといった複雑な形状のモデリングに関する考察と、複数の作業者によって効率的にデジタルアーカイブ化を行うために指針について考察を行いました。
山門のアーカイブ化では、多くの資料をいただくことができ、これらをアーカイブに反映させるためにいくつか工夫を施しました。その一つ未製材の部材の表現です。屋根部の外から見えないところでは製材されていない部品が多く使われています。そこで未製材の部材を表現するために通過点と曲がり方を指定すれば部材として表現してくれるツールを作成しました。下図下段では虹梁が緩やかに曲がっているのがわかるかと思います。未製材の部材で出来ている屋根部の雰囲気がでているでしょうか?
この研究では現在まで研究室で行われてきた強化/複合現実感技術を建築分野への応用する試みを総括するとともに、光環境を考慮したインテリアシミュレータを示しました。
ここでは、光環境を考慮したインテリアシミュレータについて紹介しようと思います。強化現実感では、仮想の三次元モデルと実在の風景はぴったりとあっているように見えますが、実際には三次元モデルの奥に背景として実在の風景があるだけです。 この状態で三次元モデルが床に落とす影を描くのは難しいので、背景に実在の風景を貼るのをやめ、床面をポリゴンとして作成しそこに実在の風景を貼るように工夫を施します。こうすることで下図のように影のある合成シーンを得ることができました。シミュレーションの様子を動画デモで紹介しています。ぜひご覧ください。
以上、修士論文発表会での当研究室の修士による発表から、一部を簡単に紹介しました。
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