オープンラボ中止代替企画、修士2年の研究中間報告、第二報です
普通なら3軸で動く3Dプリンティングを6軸にできたら色々な変化を付けられて面白いかもと、という発想からこの研究を始めました。ロボットで3Dプリンティングするために、まずは市販の3Dペンを持たせて、フィージビリティを確認することから始めました。
3Dペンではフィラメントの吐出速度は決まっており、最初期の実験ではロボットからの信号で吐出のon/offのみを制御しました。一定速度でペン先を動かし、その前後で3DペンのON/OFFする指令を連続させた積層パスです。ここからさらに進み、積層中のロボットの速度を細かく制御することで、積層高さと吐出量を調整するようにしました。最初段階の実験についてはこの記事 「ロボットが余るなんて・・・」で紹介しています。
本記事では、その後の試行錯誤について紹介します。
テクスチャープリンティング
積層パスの一部の点をサンプリングし微少なオフセット移動を与え、さらに、積層レイヤ毎のサンプリングパターンを振ることで、表面に凹凸のあるテクスチャーを持つ曲面を積層することが出来ます。
このようなパターンによるパスをロボット実行すると、次のようなテクスチャーを持った三次元形状をプリンティングできます。
オフセット値の調整で、テクスチャーの模様や凹凸具合が変わります。このアルゴリズムは、基本となるプレーンな曲面に対してパラメトリックな操作で適用できるので、様々なオブジェクトにテクスチャーを持たせて造形してみました。この写真だと、まるでジャガード生地のようなテクスチャに見えるかもしれません。
オリジナル・エクストルーダ
3Dペンのノズル径は小さく、その分単位時間あたりに送出されるメディアの量も少ないです。家具や建築部品などの大きさのものを造形する場合、膨大な時間が必要になります。
これを解決するために、ノズルを交換可能なオリジナルのエクストルーダを制作して、ロボットの新しいツールとしました。オリジナル・エクストルーダは吐出温度および吐出量を可変とし、市販の3Dペンよりも積層手法のバリエーションを増すことを目標に設計しました。