2020年4月 9日(木) 13:01 JST

2019年度卒業論文の発表会が行われました

  • 2020年3月17日(火) 17:00 JST
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2019年度卒業論文の発表会が行われました.本研究室の学生の卒業論文を簡単に紹介します。

  • ランダムを用いたペンローズパターンのデザインに関する研究
  • AR(Augmented Reality)を活用した施工支援システムの開発と音声操作による拡張
  • クレーンの吊荷揚重工程の自動化における吊荷旋回装置の自己位置自己姿勢の推定に関する研究
  • ロボットを用いた不揃いな曲面を持つ木加工にむけた姿勢推定システム
  • 深層学習の画像認識による建築画像の分類の説明可能性に関する研究
  • CADアップデート内容に基づくBIM活用調査


ランダムを用いたペンローズパターンのデザインに関する研究

ペンローズパターンは二種類のタイルを非周期的に充填していくことで生まれる平面充填パターンの一つです。

本研究ではペンローズタイルとランダムを組み合わせたデザイン手法の考察を行いました。通常の二種類のタイルを用いたペンローズパターンでは同一のタイルを円状に五つ並べた図形が複数連続で現れてきます。そこで四種類のタイルを用いてタイル選択にランダム要素を入れ、またペンローズパターンを作成する際に用いた再帰性を条件にランダムの確率を変えることで規則性を抑える手法を試行しました。また出来上がったデザインを利用した欄間のCGを作成して建築に用いることのできるデザインであることを確認しました。


AR(Augmented Reality)を活用した施工支援システムの開発と音声操作による拡張

建築施工におけるBIM活用には、BIMを扱うソフトに対する専門知識が不可欠です。しかし実際の施工現場ではソフトを十分に扱うことのできる技術者は不足しており、専門知識がなくとも扱うことのできる施工支援システムが求められています。

そこで、本研究ではAR技術を活用した重機の配置計画検討システムの開発を行いました。物理的に動かすことのできるARマーカーと直感的な操作が可能なUI、音声入力による多人数でのフリーハンド操作技術を組み合わせることで、三次元での施工シミュレーションを容易に行うことが可能になりました。


クレーンの吊荷揚重工程の自動化における吊荷旋回装置の自己位置自己姿勢の推定に関する研究

当研究ではクレーンの吊荷揚重工程の自動化を目的として、吊荷旋回装置の自己位置、自己姿勢の推定手法について提案するため、映像内の特徴量分析による手法(V-SLAM)とGNSSによる自己位置、自己姿勢の推定精度比較実験を行ないました。

実験の結果、自己位置、自己姿勢の推定精度はRTK-GNSSによるものが最も高くなりましたが、周辺に遮蔽物の多い環境では利用できない場合があることもわかりました。次に高い精度を発揮したCNN特徴量によるV-SLAMは、吊荷旋回装置の自己位置、自己姿勢の推定手法として十分可用な精度を発揮し、かつ周辺環境の影響を受けずに推定を行えることがわかりました。以上の検証から、現在、CNN特徴量によるV-SLAMにより吊荷旋回装置の自己位置、自己姿勢の推定する手法をクレーン自動化のサポートシステムに組み込み、実証実験を行っています。


ロボットを用いた不揃いな曲面を持つ木加工にむけた姿勢推定システム

製材のように形状の把握が容易な材では、機械による加工が可能ですが、丸太のような複雑でばらつきのある形状をした材では、多軸加工機材での加工において材がどの位置にどのような向きで設置されているか把握することが困難です。

この研究では、コンピュータビジョン技術を用いて、丸太のような材の加工を目的とした姿勢推定システムの開発に取り組みました。このシステムで事前に材の写真とSfM(Structure from Motion)により得た点群データを用意しておき、材を加工機に設置した後、加工機に取り付けたカメラから材を捉えることでその位置と姿勢を得ようというものです。推定精度にまだ改善の余地はありますが、ブラッシュアップを続け、間伐材や野物の加工へと適用していきたいと考えています。



深層学習の画像認識による建築画像の分類の説明可能性に関する研究

深層学習による画像分類は、CAM(Class Activation Mapping)と呼ばれる可視化ツールで、判断の根拠となったエリアをヒートマップとして可視化できることが知られています。この研究では、建築に関連する画像を分類した際に、どこを見ているかCAMを用い可視化すること、ヒートマップが活性化した(判断の根拠となった)エリアをブラックでマスクすると、どのようにエリアと分類精度が偏移していくか実験を行いました。

日本の社・寺・民家の分類、及び神社様式の分類を対象とした実験の様子を下図に示します。神社様式の分類(神明造か大社造か)では、破風のあたりが分類の根拠となっているようで、マスクが掛かるにつれて確度が下がっていきます。学習データの偏りなどの影響もあり結論づけが難しいところもありますが、人が判断する場合とと割と近いエリアを見ているのでは、と興味深く思っています。なお、以下の画像はWEBでの収集を行ったため、第三者によるものないそれを加工したものです。



CADアップデート内容に基づくBIM活用調査

BIM元年と呼ばれる2009年から10年が経ち、BIMが広く認知され始めてきました。しかしBIMは未だに普及しきれていない現状があります。そこで、大手意匠系BIMソフトウェアメーカー3社の販売するCADソフトウェアを調査対象とし、ユーザーのBIM活用の傾向を調査しました。全体として○○に向かっているといった傾向は見いだせませんでしたが、設計案の可視化による意思決定、法規チェックにむけた拡張などいくつかのキーとなる傾向を見出すことができました。