建築でコンピュータ、する?
2023年12月 2日(土) 05:07 JST
2018年度の卒業論文発表会が行われました。本研究室学生の卒業論文を簡単に説明します。
多関節ロボットによる加工では、ロボットの装備できるツールによって加工可能な形状が異なるため、加工に用いるツールの条件に応じて仕口を選択する必要が生じます。
本研究では実建築大の伝統木造建築において、加工の際必要となるツールに応じた仕口を設計することを目的とし、その設計手法を検討しました。また、その設計手法に基づき、伝統木造建築である四脚門の継手仕口を設計し、ロボット加工により制作ができることを確認しました。
規格材を取ることができない間伐材の効率的な利用を目指していています。そのためには、各々の間伐材の形状の三次元測量と、それに合わせてロボットによるオンデマンドの加工が有効だと考えます。その実現に向け、間伐材の識別を支援するシステムを作りました。
間伐材の形状と、加工データが紐づくことになるので、実際に加工する際に、無造作にストックされた間伐材から最適な間伐材を特定する必要があります。
本研究では、ArUco マーカーを利用し、ストックヤードの画像から位置情報を特定し、プロジェクタからの目印の投影することで、間伐材の識別作業の支援をしています。
本研究室では、多関節腕型ロボットの建築分野への応用に関する研究を行っています。既往研究として、従来の画像処理技術を用いたタイルの識別、及びロボットによる自動施工を行ってきました。
今回は、汎用的なタイルとして陶磁器質の11色のモザイクタイルを使用するほか、9色のカラーアクリル板で制作したタイルを使用し、様々なタイルパターンを設計し、施工を行いました。また、本研究では、タイルの色認識に深層学習を導入し、従来よりもさらに正確にタイルが施工されることが確認されました。
平沢研究室では以前から、アルゴリズミックデザインについての研究が行われてきましたが、今回は、フランク・ゲーリー、ジャン・ヌーヴェル、ザハ・ハディッド、伊東豊雄、隈研吾、坂茂の6人の建築家を取り上げ、作品を時系列に合わせて調査考察をおこないました。
コンピュータが力を発揮する部分を、コンセプトの形状を作ることと、施行用のディテールをつくること、シミュレーションを繰り返して最適化すること、の3種類に分類することができました。この考察を経て、いくつかのケーススタディを行いました。