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2013年度修士論文発表会が行われました

  • 2014年3月31日(月) 16:34 JST
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    ゲストユーザ

2013年度は3名の学生が修士課程を修了しました。それぞれの研究内容を簡単に紹介します。


コンピュータビジョンによる建築の出来形管理に関する研究

建築における出来形管理とは、施工された出来形(設計図書に示された工事目的物の形状寸法)を取得し発注者の意図する規格基準を満足させるようその出来形を管理することです。従来の出来形管理は直接測定や撮影記録によって行なってきましたが、本研究では、効率的な出来形の管理の試みとして、左の図のようにステレオカメラの視差を利用して写真に写る対象物の寸法を計測しました。真中の図は、計測値と設計データを比較し、施工誤差を確認するシステムの画面のキャプチャです。また、右の図は、計測した三次元座標から復元した点群を設計データの三次元モデルに重ねたものです。



姫路城大天守デジタルアーカイブの構築と情報管理の手法

千葉県市川市にある法華経寺五重塔などでこれまで試みてきた建築物のデジタルアーカイブ化(こちら)を、姫路城の大天守を対象として試みました。これまでに対象としてきた法華経寺五重塔とは違い、姫路城大天守は図面等の資料が豊富に蓄積されています。本研究では、これらの資料中の様々な情報をもとした姫路城大天守のデジタルアーカイブの構築をを通して、より精緻な三次元モデルの作成の仕方と情報の管理の仕方について考察を行いました。図は、左が大天守の軸組、真中が唐破風部分、右は、腰掛け蟻継ぎ、鎌継ぎの三次元モデルです。



関係データベースを利用した建築構法の知識表現に関する研究

当研究室ではこれまでに、建築構法の知識表現に関する研究として、ツーバイフォー工法による住宅を対象に知識表現を行ってきました(2012年度修士論文)。先の研究では、この工法における「部品」の特徴に着目して、三次元CADで三次元モデルを組み上げるという手法で知識表現を行っています。本研究ではこれまでの研究で構築した三次元モデルによるツーバイフォー工法の知識に加えて、小屋組等の構成方法を部位雛形として記述しました。左の図のパラメータを入力すると、真中の図のように、小屋組の部材の自動生成が行えます。また、知識表現を関係データベースに展開することで、様々なアプリケーションで利活用することができるようになりました。右の図はウェブブラウザでの閲覧の様子です。



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