建築でコンピュータ、する?
2026年8月 8日(土) 01:20 JST
建築学会大会(北海道)に参加してきました。今回、本研究室からは4本の発表がありました。プレゼンテーションで用いたビジュアルから、概要を紹介します。発表したタイトルは このページ の口頭発表の欄をご覧ください。
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自由曲面など複雑な形態を実現させるために必要となる部品を設計する手法についての研究です。 構造や環境といった要件によるシミュレーションの結果から、有機的な曲面からなる自由な形態の建築を設計するデザイン手法が試みられ始めていますが、部品の納まりや構法が考慮されにくいためか、高度な施工技術によってようやく可能となる事例が多いようです。本研究では、自由曲面を持つフォリーの設計・制作を通して、このような建築物の実現を可能にする部品の設計手法の提案を行いました。
(以下、いずれの画像も画像クリックで拡大できます。)
自由曲面の設計には3DCADに物理演算エンジンを援用しました。基本の形態となるカーボンナノチューブの構造を棒状の部品(ロッド)とジョイントでモデル化し、ロッドとジョイントの接合条件を保った状態で物理演算エンジン内で3Dモデルを操作し、形状が成立する範囲で設計しました。 つぎに接合部周りのディテール、特にジョイントの設計ですが、ジョイントに対するロッドの向きを取得して各接合部でユニーク(一意)な形状を取ることのできるパラメトリックな部品を当研究室おなじみのGDLによりモデリングしました。 今回のフォリーの制作では、ロッドに既製品のスチレン棒を用い、ジョイントの部品とそれに接続するためにロッド端部に取り付ける部品を3Dプリンターで自動生成しています。
ロッドの長さやジョイントの形状は各部品でユニークなため、施工時にはタグによる部品管理が必須となりました。上の図は左が3DCADでレンダリングしたフォリーの3Dモデル、右が実際に制作したフォリーの写真です。
3Dモデルを併用したツーバイフォー工法の知識表現に関する研究です。 本研究では知識表現の対象をツーバイフォー工法としています。3Dモデルと構法知識を結びつけるという方針や、部品雛形の設計、数値制御加工機によるスケール模型の作成などについては、伝統木造建築のデジタルアーカイブに関する研究のノウハウが活きています。伝統木造建築と比べたツーバイフォー工法の特徴は、木製の規格材を加工して金物で緊結するという簡潔で明快な構法と、高度に合理化された生産・施工手法にあります。しかし、現在のツーバイフォー工法の生産システムは、基本設計やFMなど他の建築ライフサイクルのフェーズとは独立した形で成熟している感があります。本研究では現行の実務における工法・生産との対応が取れた知識ベースの構築を目標としましたが、今後は基本設計や情報交換などの段階での知識ベースの活用が課題となりそうです。
地形のデータを利用した都市・集落の発生アルゴリズムに関する研究です。本研究室ではこれまでに、地形データを利用した都市・集落を繋ぐ街道の生成予測や、幹線道路からの区割・地割と建物の配置など、都市・集落の形成プロセスに関わるアルゴリズムの研究を行ってきました(詳細はこちら)。今回の研究では都市・集落(明治時代前後までに成立したものを想定)の調達、交易のロジックから、地形の平坦さとこれに新たに標高の分布の多様性を加えた二つの指標を用いたアルゴリズムを開発し、マクロな視点から都市・集落の発生をシミュレートし、当時の都市・集落の分布と比較しています。
千葉県北東部の高度分布(右半分の紫は海)
地形の平坦さ(赤:平坦度高→緑→紫:平坦度低、同程度の標高とみなす閾値は左から1m、5m、10m)
標高の多様性(赤:多様性高→緑→紫:多様性低、標高に差があるとみなす閾値は左から0.1m、1m、2m)
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