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2013年度GDL講習会シェルコンテスト

  • 2013年6月17日(月) 22:00 JST
  • 投稿者:
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GDL講習会 シェルコンテスト

 GDL講習会の中間発表として毎年恒例となっているシェルコンテストを行いました。

2013 GDL Mesh Contest

 それぞれの作品の紹介を見るには「続きを読む」を押してください。


Mesh No. 1←画像クリックで拡大

作品 No. 1
 XY、YZ、ZX平面の稜線がアステロイド曲線なっていて、形状的には八面体の面の一つ一つが凹んだ立体の作品です。サイン、コサインの組み合わせで稜線以外の曲面部分を滑らかにつなぎ、膜を張ったサスペンション構造のような形状を上手に表現しています。


Mesh No. 2←画像クリックで拡大

作品 No. 2
 講習で習った媒介変数表示を応用して布が折りたたまれたような局面を持つ作品になっています。折り目から平面に向かうところ、曲率の大きくなる部分は頂点数が密になり、布の柔らかさが出るように関数でうまく制御されています。


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作品 No. 3
 波打つ大屋根、階段状の客席、照明を支える螺旋状の支柱に三角関数を利用したメッシュが使われています。シェルの構造体だけでなく今までに学習した複数のオブジェクトを取り込んで、建築的な空間の広がりを感じさせる作品になっています。


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作品 No. 4
 こちらはC言語のプログラムを利用してGDLスクリプトを生成したシェルです。XY平面のグリッド上に複数個の半球をランダムな位置に発生させて、そのZ座標の総和で天井までの高さを決定しています。プログラムを動かすたびにランダムで形状が変化しますが、ドームのように中央部が高くなるように工夫されています。水面に広がる波紋のようであったり、鬱蒼と茂る森のようであったりと面白い形状が生まれています。


Mesh No. 5←画像クリックで拡大

作品 No. 5
 コサイン波によるHPシェルの覆いとなる部分と、ラッパのような形状の脚となる部分の2種類のメッシュが、継ぎ目がわからないように高さが調節されており、一体構造となっています。異なる曲面をつなぎ合せることは難しいのですがこの作品ではうまく表現されています。ラジアル基底関数などを使って値を収束させ、一続きの曲面を作ることができれば、さらに綺麗なシェルになるでしょう。


Mesh No. 6←画像クリックで拡大

作品 No. 6
 この作品はArchiCAD以外の三次元モデラで作成したメタボールの三次元モデルを、C言語のプログラムを介してGDLスクリプトにパースしたものです。このメタボールが作る曲面のように複雑なルールを持つ有機的なデザインをGDLのみで作成するにはかなりの習熟を必要とします。自らが使えるツールをいくつも持つこと、また、それらを組み合わせる技術を持つことはとても重要です。


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作品 No. 7
 木ねじを押しつぶしたような螺旋形をしていますが、よく見るとねじ山も螺旋を描いて滑らかにうねっていることがわかります。簡潔なスクリプトからこのように綺麗な幾何形状が生み出されるという点が、数値モデリングの醍醐味のひとつです。GDLではこのように手で書くことが難しい形状でも数式で表現できれば視覚化できるというメリットがあります。また、この作品は形を決定するルールの複雑さと形そのものの複雑さとが必ずしも比例しないというよい例です。


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作品 No. 8
 トーラス表面の座標を上手くずらしながら繋いでいます。レンダリングした絵を見ると、まるでラタンで編んだ籠のようですが、それぞれの繊維は触れ合わずにトーラスの表面をぐるっと一周し、実は3本の輪で全体が構成されているという、とても不思議な形をしています。


Mesh No. 9←画像クリックで拡大

作品 No. 9 ☆優秀賞☆
 最後になりますが今回のシェルコンテストで優秀賞をとった作品です。
 外皮、内皮、中心部と3段階に構造となっておりウイルスの細胞のようなインパクトのある形状が表されています。レンダリングの絵は外皮と内皮を半分に割った状態のものです。球の表面の座標がコサインとサインの式で複雑に波打ち、ビジュアル的に見事な表現となっています。DNAを模した螺旋状のオブジェクトを中心に配している点もユニークです。


 今年は講習会参加者も多くお互いに刺激しあえるレベルの高いシェルコンテストとなりました。シェルを扱う間にGDLについてまたひとつ、知ることができたと思います。
 GDL講習会で学んだ成果を発揮する場として7/12にGDL運動会が開催されますので、そこまでがんばっていきましょう。

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