2010年度建築学会大会(北陸)参加報告

2010年度建築学会大会(北陸)に参加し発表してきました。 プレゼンテーションで用いたビジュアルから、何点か紹介します。発表したタイトルは このページ口頭発表の欄をご覧ください。5本ありました。

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 発表順番にあわせて紹介します。今回はAR/MR技術の発表が本研究室の発表の4/5を占めるという面白い事態になりました。最初の2つの発表はAR/MRのリアリティ表現に関する研究についての発表でした。

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 まず最初の発表は陰影を表現したAR/MRでした。こちらの画像では、昨年の学会で発表したマーカレスな合成シーンに更に仮想物が落とす影を表現することで、より自然な合成シーンが実現されています。左の画像と右の画像を見比べると、右の画像では仮想物(真ん中の安楽椅子です)が床面に落とす影と、仮想物が自身に落とす影(ヘッドレストの下部が暗くなっているのがわかりますでしょうか)が表現されています。このサイズの画像ではCGだと言われないとなかなか気づかない方もいらっしゃるのでないでしょうか。

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次の発表は前後関係を考慮したAR/MRでした。ここでは、仮想物と実世界の物体との前後関係を反映し、模型と人物モデルの前後関係の破綻がない合成シーンが実現できているのが確認できます。動画デモは、こちらです。このデモでは、実物(模型の階段や壁など)のCADデータをプログラムに読み込ませ、仮想物と実物(の三次元データ)の前後関係を判定することで、実物の後ろでは仮想物が隠れるようになっています。

ここから2つの発表はAR/MRの適用範囲を拡大する研究に関する発表でした。

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ここでは屋内空間での適用空間を拡大したAR/MRを発表しました。通常のAR/MRではマーカーが常に画像内に含まれていないと合成シーンが破綻してしまいます。この研究では、背景合成(ビデオスルー)用のカメラと、マーカーを認識し、カメラ位置を算出するためのカメラ、視線方向を得るための方向センサーを用いて屋内で広範囲にAR/MRを適用することを試みました。背景合成用のカメラと位置算出用のカメラを分けることで、マーカーの設置箇所に融通がきくようになります。また、マーカーが認識できなくなってしまっても、方向センサーから視線方向を得続けることができます。その場から大きく動かなければ合成シーンが破綻しないといった点もこのシステムの特長です。

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AR/MR組最後の発表は屋外空間でAR/MRを適用する研究の発表です。上の屋内空間での適用空間を拡大したAR/MRではマーカーを使ってカメラ位置の算出を行っていましたが、この研究では、GPSを用いることで、カメラ位置の算出を行っています。GPSの受信できる環境であれば、マーカーを用いずに合成シーンを得ることができます。この画像は、大学の中庭で、現実大の五重塔を合成したものです。屋外でも広範囲にAR/MRを適用することができました。

今回の学会でも勿論、本研究室で長年続けている研究テーマであるアルゴリズミック・デザインの発表もしてきました。

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今回アルゴリズミック・デザインとして取り組んだのは、街並みの生成です。現在までの研究では、区割り・地割と建物配置を数学的な計算で行っているのですが、それでもこの画像のような現実的な街並みを得ることができました。今後は、恣意的な要素や環境的な要素などを組み込んでいくことで、よりリアルな街並みを目指していきます。街並みをフライスルーする動画デモは、こちらです。

以上、簡単にですが、建築学会大会でのプレゼンテーションから抜粋して紹介しました。例年であれば学会が終わるととたんに秋の空気になりますが今年はまだまだ暑いですね。暑さのせいか実感がわきませんが10月から後期が始まります。年度末の卒論、卒制、修論まであっという間かと思いますが、なにかおもしろいアウトプットがあればこのHPでも紹介していきたいと思います。

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